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進撃の巨人に関する小ネタ投下場所。 基本は右ジャン。右ジャンは雑食です。にょたジャンあり。 時々、管理人の呟きが入ります。
14 . June
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27 . January


はい、仕事あると思ってたんですけども!
今のところなかったので書きたいと思ってたリヴァジャン更新★

こういう反抗期じみた生意気なジャンが書きたかった!
スッゲェ楽しかった♪ やっぱ、ジャンらしさは大事にしないとね!

些細な痴話喧嘩なんですが、この2人の喧嘩は半端ないな。
喧嘩の内容はマジで些細なくせに!

途中でエレンの出番ありです。
結構、イイ場面で活躍してくれるエレンが好きだ!
この話の後、ジャンはエレンに何を報告したんでしょうかねw






+-+   +-+   +-+   +-+   +-+   +-+


正直、我慢の限界というものをジャンは感じた。
雑巾で掃除をしていた手を止めて、持っていた雑巾を床に叩きつける。
こんな態度をリヴァイにしたのは初めてだ。

「そんなにエレンがイイなら、エレンに頼めよ!
 俺の知ったことじゃねェよ! ふざっけんなよッ!」

ジャンの口から出た言葉は上官であるリヴァイへのものとは思えない。
流石にリヴァイも驚いたらしく、言葉を返してくることはなかった。
それでもジャンの怒りは収まらなくて、リヴァイを睨み付ける。

自分が持ってきた水の入ったバケツと雑巾を持つとジャンは部屋を出て行った。
苛立ちの余りドアを思い切り乱暴に閉め、ジャンは外へと足を向ける。

「あんなオッサンのことなんか知らねェよ、バーカ…」

小さく悪態を吐くとジャンは少しだけ汚れている水を地面にブチ撒けた。
今日は天気も良いのが救いだなと思い、大きく背伸びをする。
パキパキと肩の関節が鳴り、今日は街にでも出掛けてみるかと考えた。

付き合い始めてから初めてリヴァイと喧嘩をした。
年齢も身分も性格も違うのだから、お互いに不満があるのは当然のことだと思う。
リヴァイもジャンに対して不満はあるだろうし、ジャンもリヴァイに対して不満がある。
兵舎に戻ると私服姿のサシャがウロウロとしていた。

「あ、ジャンじゃないですか!」

「どっか行くのか?」

「はい、すっごく美味しいパンの店を見つけたんですよ!
 それを今から食べに行くところなんです!」

「…俺も行ってイイか?」

ジャンの言葉をサシャは「勿論ですよ!」と笑顔で返してくれる
一人でいるよりも誰かと一緒にいたほうが気分も紛れた。
少し待っていると104期のメンバーが殆ど揃う。

「今日も楽しみだな!」

コニーの言葉にジャンは「今日も?」と尋ねてみた。
この言い方を聞く限り、前回もあって今回だけではないのだろう。
自分は休みの日をリヴァイとの時間に割いていたから知らなかったのだ。

苦笑いを浮かべたクリスタが「ジャン、忙しそうだったから」と声を掛けてくれる。
リヴァイとの時間ばかりで休息を同期と過ごすことを殆どしてなかった。
もしかしたら、自分は彼らに心配を掛けていたのかもしれない。

「だから、誘えなかったんだ…」

「アルミン…」

申し訳なさそうな表情を浮かべたアルミンは「ゴメンよ」と小さく謝る。
別にアルミンたちが悪いわけではないし、ジャンは「気にしてねェよ」と笑った。
それに本当に悪いのは自分で、どれだけリヴァイに依存していたかを知る。

「でも、今日は一緒で嬉しいよ! ねェ、エレン!」

「人数は多いほうがイイしな!」

見たくない顔ランキング1位のエレンを見て、ジャンは顔を逸らした。
楽しそうに笑っているエレンの隣にはアルミンとミカサがいる。
神様というものがいるのなら、そいつは本当に意地が悪い。

アルミンという親友を持ち、調査兵団から必要と言われる能力も備えている。
ミカサにまで必要とされるだけでなく、リヴァイにも目を掛けられていた。
どうして、自分にないものばかりを持っているのだろう。

「どうした? 気分でも悪いのか?」

「…何でもねェよ…」

エレンと喋るのが嫌でジャンはエレンから離れるとコニーの方へと向かった。
コニーはサシャと一緒に馬鹿話をして盛り上がっているようだ。
今日は楽しむことだけを考えようと気分を切り替える。

他愛もない話をして、たまにコニーやサシャの話にツッコんだりする。
こんな些細なことで笑いあうのが楽しいと思った。

「休息日には、こうして遊ぶこと多いのか?」

「一人だと時間を持て余すから時間のある子だけ集まるんです。
 ジャンも忙しくなかったら、遊びに来てくださいね!」

「ああ、そうする…」

これからは一緒に遊ぶことが多くなりそうだなと考える。
あんなカタチでリヴァイと喧嘩をして、当分はリヴァイの顔を見たくはないから。
今は同期と馬鹿話をして、遊んで、笑っているほうが気が楽だった。

「ライナーとベルトルトは?」

「疲れてるから今日は参加しないって言ってたよ?」

クリスタの言葉に「参加自由すぎんな」と言うとクリスタは小さく笑う。
集まった面子で街に出掛けるとサシャが言っていたパン屋に向かった。
基本的にサシャがオススメの店に連れて行ってくれるらしい。

安くて美味いものを見つけるのはサシャの特技と言っても良い。
案内された店は古びていて、皆で「大丈夫かよ」というような店だった。
外観とは全く違い、中に入ると綺麗に整えられて、パンの良い匂いが漂っている。

「見てくださいよ、この良心的な低価格! 感動しかないです!
 オジサン、何時ものパンを沢山持ってきてくださーい!」

「注文、適当すぎだろ」

奥から人の良さそうな妙齢の男が出てきて、かごに入るだけのパンを持ってきた。
それをサシャが受け取ると「何時も有り難う御座います!」と礼を言う。
サシャは全員にパンを配り始め、何故か胸を張っていた。

「食べてみてください!」

店内で食べても良いのだろうかと思っていると男性は優しく頷く。
それから焼きたてのパンを全員が食べて、全員が無言になった。
真っ先に口を開いたのはコニーで「超絶に美味い!」と絶賛している。

温かさが残っており、香ばしい匂いにふわふわの触感。
誰もが美味しいと認めるパンで胸を張っていたサシャの意味が分かる。
かごのパンが次々となくなっていくのを見たクリスタは何個かを確保していた。

「そんなに食うのか?」

「ううん、ライナーとベルトルトにも分けてあげなきゃと思って…」

「こんなにクリスタが食べるわけないのも分かんないの?」

ユミルの言葉にジャンはグッと言葉に詰まってしまう。
冷静に考えれば、クリスタが来てない人間のことを考えるのは当然だ。
気が付くとクリスタが取り置きしていた分以外は空になっている。

話しているのに気を取られて、殆ど食べてなかったとジャンは後悔した。
コニーに「ざまぁ!」と言われたので軽く肩パンを喰らわせる。
少し考え込んでいたエレンがジャンにパンを渡した。

「は?」

「両手に持ってたからさ、一個やるよ」

「テメェの施しなんか要らねェし」

「じゃあ、言い方を変えるから良い。
 こんなに食えねェから、一個もらってくれよ」

どうしてエレンなんだろうと思いながら、ジャンはエレンからパンを貰う。
エレンでなければ、そいつを大嫌いになることも出来ていただろう。
それなのに、どうしてエレンをミカサもリヴァイも選ぶのだ。

「ジャン、どうかしたか?」

「な、何でもねェ。 エレン、ありがとう…」

「素直ジャン!」

「語尾みたいに言うなよ!」

コニーに肩パンを喰らわせている姿に笑いが溢れる。
楽しい時間というものは早く過ぎるもので色々と回っていると夕暮れ時だ。
皆で帰ろうかということになり、兵舎の方へと歩いていく。

その道程でリヴァイとの喧嘩を思い出してしまった。
本当に些細なことが積もりに積もった結果だ。
リヴァイは何かとエレンとジャンのことを比べるのだ。

『エレンなら、もう少しはマシな掃除をするぞ』

その言葉にジャンはキレてしまった。
掃除だけではなく、紅茶の淹れ方にしてもエレンと比べられる。
だから、あんなことを言ってしまった。

それに対して、ジャンは後悔はしていない。
これからもエレンと比べられるのが続くのかと思うと我慢が出来なかった。
破局に繋がることになったとしても仕方のないことだ。

「うっわ、何か兵長が立ってんだけど…!」

「悪いことなんかしてないし、普通に入ればイイだろ」

恐怖に慄くコニーにユミルは何でもないように告げると兵舎に入っていく。
ユミルの言う通りで悪いことは何もしていないのだから怯える必要などない。
コニーたちに紛れて、ジャンが兵舎に入ろうとしたときだった。

「いって!」

思い切り腕を掴まれたジャンは思わず痛みで声をあげる。
それにビックリしたコニーやクリスタたちがジャンのことを振り返った。
リヴァイは何時もの声音で「コイツに用があるだけだ」とだけ告げる。

その口振りは『これ以上は詮索するな』というものだと全員が理解できた。
困惑した表情を浮かべながらもコニーたちは部屋に戻る。

「腕、痛いんっすよ。 放してくれませんかね?」

「誰に口を聞いてんだ?」

「人類最強と世間で謳われてる調査兵団兵士長のリヴァイ様にですけど?」

たっぷりと嫌味を込めて、ジャンはリヴァイに告げた。
そのジャンの言い方が随分と気に障ったのだろう。
更に力を込められてしまい、あからさまにジャンは顔を歪める。

「痛いって言ってんでしょ? 耳、遠くなりました?」

「フザケんなよ…」

「は? どっちがフザケてんですかね?
 言ったでしょ? 兵長のことは俺の知ったことじゃありませんしね。
 用事か何かあるんなら、お気に入りのエレンにでも頼んでくださいよ」

何時もであれば、リヴァイの気に障らないように口調も気を付けている。
しかし、今のジャンにはリヴァイのことを気遣える余裕なんてものはなかった。
腕に痣が残りそうだなと思いながら、ジャンは自分の腕を見遣る。

放してくれる気配がないのでジャンは「マジで痛いんで」と淡々と告げた。
それに対して、リヴァイは「放したら、テメェは逃げるだろうが」と返してくる。
冗談抜きに腕の血管に血が流れていないと思う。

「別に逃げませんけど? 話があるなら、此処で聞きますよ?
 兵長の執務室に行くのは嫌ですけど、幾らでも話くらいは聞きますし?」

そう言うとリヴァイは漸くジャンの腕を放した。
力がありすぎにしても手加減というものがあるだろう。
リヴァイに手加減などというものがあるのかは分かりかねるが…。

「で? 何です? 別れ話ですか? イイですよ?
 エレンのことが好きになったとか聞きたくないですけどね。
 別に泣いて縋りついたりしませんし、後腐れなく別れましょうか?」

ジャンの言葉にリヴァイの表情が歪むのに気が付いた。
正直、こんなことを好きな相手に言うのは辛い。
それでも今の状態が続くほうが辛い。

本当は好きで好きで仕方ないのに、別れたいなんて思ってもいないのに。
リヴァイが何を考えているのかなんて分からない。

「フザケんな…」

聞いたこともないようなリヴァイの低い声にジャンは訝しげに眉を潜める。
不思議に思っていると首を絞められ、ジャンは驚きを隠せなかった。
しかも、この目は本気だ。 本気で首を絞めている。

「はッ…!」

呼吸をしたいのに出来ない苦しさにジャンはリヴァイの腕に手を掛けた。
リヴァイの腕が緩むことはなく、確実にジャンの気道を締め付ける。
巨人に食われて死ぬよりは好きな相手に殺されるほうがマシかなとジャンは諦めた。

本当に意識が飛びそうになったときに「ジャン!」と誰かの声が聞こえる。
リヴァイの力が緩んで、床に崩れたジャンは思い切り噎せこんだ。

「ジャン、大丈夫か!? 何してるんですか、兵長!」

噎せこんでいるジャンの背中を擦っているのはエレンだった。
今にも飛び掛りそうな剣幕でエレンはリヴァイを睨み付けている。
ジャンはエレンに「大丈夫」と告げるとエレンの顔が哀しそうに歪んだ。

「大丈夫なわけねェだろ! 首絞められてんだぞ!?」

「まあ、生きてるし…」

「生きてるから大丈夫とかじゃねェよ! お前の脳内、どんだけ快適なんだよ!」

そんな遣り取りを眺めていたリヴァイが低い声で「退け、エレン」と命令する。
間違いなく、エレンに怒りの矛先が向いているとジャンは思った。
自分が悪いことを言ったのに、エレンにまで迷惑を掛ける。

此処で自分がエレンを庇ったりしたら、またリヴァイは怒るだろうなと考えた。
取り敢えず、この場所からエレンを退かせなければならない。
怒り心頭なエレンに「後で事情は話すから」と言うとエレンは心配そうな表情になる。
何とか部屋に戻るように頼み込むと不承不承ながらも去ってくれた。

「…無理なんだ…」

2人きりで沈黙が支配していた空間を壊したのはリヴァイだった。
ポツリと洩らされた言葉にジャンは首を傾げる。
見上げるとリヴァイが悲痛な面持ちでジャンを見下ろしていた。

「へい、ちょう…?」

「テメェじゃねェと無理なんだ、俺は…」

ゆっくり伸びてきた腕にジャンは身体を強張らせる。
しかし、その逞しいリヴァイの腕はジャンの身体を優しく抱き締めた。
抱き締めている身体が震えていることにジャンは気が付く。

「…心が、壊れちまう…」

こんなに頼りないリヴァイの声を聞いたのは初めてだ。
気持ちを落ち着かせるようにジャンはリヴァイの背中に腕を回すと優しく撫でる。
身体の震えが治まるまで何度も声を掛けて、何度も背中を撫でた。

正直、あんな行動をするとは思ってなかった。
リヴァイの行動は狂気の沙汰と感じ、異常なまでの愛情に気付かされる。
この人は、異常なまでに自分を愛してくれているのだと知った。

「もう、別れようとか言いませんから…」

「ああ…」

「俺が生きてる限り、アンタの傍から離れませんから…」

「そうしてくれ…」

それからジャンは改めて思う。
自分を異常なまでに愛してくれるリヴァイを自分は愛しているのだと…。
異常な男を愛してしまう自分も異常なのかもしれない。


でも、それも悪くない。


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