片想い風なリヴァジャン。
正直、ウチのは互いが好きすぎるので片想いが難しいッ!
これもホントは両想いです。
リヴァイの好きな人はジャンが気付いてないだけw
健気なジャンが書きたかったというか切ないのが書きたかった。
でも、バカップルだから切ないのに縁がない。
何かイイ感じのネタの神様が降りてこないでしょうかね。
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この人の目に俺は映っていないのだろう。
行為を終えた後、気まずそうな顔をされる度に俺は申し訳ない気分になる。
それを俺は何時も知らないフリをするしかないんだ。
だって、そうしないと俺と兵長の繋がりがなくなってしまうから。
兵長に身体だけの関係を持ち掛けたのは俺。
我ながら浅ましいことを考えたものだ。
「兵長、水でも持ってきましょうか?」
気まずそうな表情をしている兵長に俺は何でもないように笑顔で聞いた。
俺から視線を逸らした兵長は「ああ」とだけ短く答える。
それを聞いてから俺は部屋を出て行った。
「ごめんなさい…」
兵長には聞こえないような小さな声で俺は謝る。
バタンと寝室のドアを閉めると自然に涙が溢れてきた。
ドアの前にしゃがみこんだ俺は声が洩れないようにポロポロと涙を流す。
好きな人に、あんな顔をさせる俺は最低だ。
他に好きな人がいるみたいということも俺は知っている。
そのことを利用して、俺は兵長との関係を続けていた。
「ごめんなさい」
俺を抱く度に兵長は辛そうな顔をしている。
その表情の意味を知りながらも俺は何も知らないように振る舞っていた。
最低な手段を使っても俺は兵長の傍にいたいんだ。
『俺のこと、好きじゃなくてもイイですから』
そんなことを言って、俺は兵長の弱みに付け込んだ。
他の誰を好きでいてくれても良い。
勿論、俺のことを好きでいてくれるのが一番嬉しいけど。
それは叶わないということは知っているから。
でも、兵長の辛そうな顔を見る度に俺は申し訳ない気分にしかならない。
これは俺のエゴで続いてる関係なんだから…。
「水、持っていかないと…」
目元をハンドタオルで押さえてから俺は水を入れに行く。
赤くなっていないだろうかと少し不安になり、鏡を見てみると酷い顔だ。
タオルを冷たい水に浸して、赤くなった目元を冷やす。
「ん、少しはマシかな…」
マシになったのを確認してから俺は水差しを持つと寝室に向かった。
ノックをしてから寝室に入ると兵長は既に部屋着を纏っている。
部屋が薄暗くて良かったと思った。
何も気にしてないような素振りで俺は「遅くなって、スイマセン」と謝る。
ヘラヘラと笑っていないと、今にも仮面が剥がれ落ちてしまいそう。
サイドテーブルに俺は水差しを置いた。
「ジャンよ…」
「はい?」
「ヘラヘラ笑うな」
その兵長の言葉に俺は少しだけ顔が強張ってしまう。
ごめんなさい、この仮面を兵長の前で外すことは出来ないんです。
気付いてないとでも言うように「そんなにヘラヘラしてます?」と尋ねた。
早く部屋を出て行かないといけないと心が警鐘を鳴らしてる。
お願いだから、何も気付かないでください。
俺の手が小さく震えていることに気付かないまま部屋を出してください。
「ジャン!」
いきなり手を掴まれて、俺はビクッと大きく身体を震わせた。
ヤバイ、兵長の前から早く逃げなきゃ。
俺は咄嗟に兵長の手を振り払ってしまった。
「あは、ビックリしちゃって…」
「…何を、隠してる?」
「何のことですか? 俺、何も隠してないですよ?」
「…どうして、そんな辛そうに笑う?」
答えられるわけがないでしょ、そんなこと。
剥がれ落ちそうな仮面を取り繕いながら、「辛そうに見えます?」と惚けた。
ホントは死ぬほど辛いです。
でもね、俺が辛いと言うと兵長は俺のことを抱いてくれないでしょ?
こんな想いをしてでも俺は貴方の傍にいたいんです。
嘘吐きなヤツでごめんなさい。
「俺、兵舎に戻りますね」
「いや、今夜は戻さねェ」
「冗談キツイですよ、兵長。 変な噂になっちゃいますよ?」
「構わねェ」
そんな真っ直ぐな目で見つめないでくださいよ。
泣きそうになるじゃないですか。
早く離れようと思って、俺は寝室のドアに向かった。
でも、それよりも早く兵長が俺の腕を掴んだ。
今度は振り払えないような力で俺は動揺してしまった。
正直、痛いとさえ思う力で俺の腕を掴んで離さない。
「兵長も困るでしょ? 好きな人に俺との関係がバレると…」
自分で言っといて、マジで泣きそう。
でも、此処で泣いちゃダメだ。
何でもないように笑い飛ばさないと終わってしまう。
「テメェと噂になるなら、それでイイ」
そんな残酷なことを言わないでくださいよ…。
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