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進撃の巨人に関する小ネタ投下場所。 基本は右ジャン。右ジャンは雑食です。にょたジャンあり。 時々、管理人の呟きが入ります。
14 . June
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20 . January


はい、需要がないのに書きました!
自己満足の世界なので許してやってくださいませw

前のは転生ネタではなかったのですが…!
転生ということ自体を考えてなかったというのもありますけどw
今回は転生ネタで、にょたジャンです。

ちょっと切ない系にしようと思ったんですけども。
私的に『リヴァジャンは幸せでないと!』ということでハッピーエンド。

相変わらず、ジャンは貧乳ですw
足は綺麗だから大丈夫だよねとか意味不明なことを思ってます。


<閲覧注意!>

にょたジャンですので、苦手な方は御遠慮ください。
自己管理でお願い致します。
大丈夫な方のみ、御閲覧くださいませ。





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何度も転生を繰り返し、『彼女』は奇跡を待ち続けていた。
巨人という名の化け物みたいなものと戦いを繰り返していたときは男だった。
その記憶は基本的に何時も引き継いでいる。

死と隣り合わせみたいな世界は残酷そのものだった。
だから、今は本当に幸せなんだと思う。

テレビではアイドルが踊って歌って、恋物語のチープなドラマ。
ニュースで他国が戦争を始めたと言っても何処か他人事。
そんな長閑で呑気な世界で、ジャン・キルシュタインは奇跡を待っている。

「おっす!」

「コニー、おはよ」

「今でも慣れねェわ、お前が女とかOMBだわ」

「何、それ」

「俺(O)、マジで(M)ビビる(B)」

「バッカじゃないの」

今回は記憶の受け継いでいるコニーと出会えた。
前はエレンとミカサ、その前はマルコと出会うことが出来た。
記憶はある場合とない場合があるらしい。

マルコは記憶を引き継いでなかった。
だから、ただの友達として勉強の話とか他愛ない話をしていた。
進学先が別れてからは連絡を取ることもせずに終わった。

「てか、何で女なんだよ」

「んー、秘密かな」

「うっわ、可愛くねェ! ジャンだと思うとマジでキモイ!」

隣で騒ぎまくるコニーに肩パンを喰らわせる。
記憶を引き継ぐ人間に会うたびに聞かれる言葉で返す言葉は同じ。
ジャンは幾度か転生を繰り返してるが、何時も性別は女。

これからも女で転生を繰り返すんだと思う。
奇跡が起こるまで、ジャンは女で生死を繰り返すだろう。
正直、こうして記憶を引き継ぐ人間と出会えること自体が殆ど奇跡だ。

「女になっても凶暴とか、絶対にモテねェだろ?」

「残念でしたー! 昨日も告られましたー!」

「うっそ!? こんな貧乳で、こんなに凶暴で、こんな性格なのに?」

「コニー、もっかい肩パンしよっか?」

笑顔を浮かべながら提案するとコニーは苦笑いで首を横に振った。
性格も体系も余り変わることがないらしい。
こうして女になって、巨乳になったことは一度たりともない。

『べ、別に憧れたりなんかしてないけど…!』

それに貧乳といえど、ぺったんこというわけじゃない。
誰に聞かれたわけでもないが、心の中で小さく言い訳をする。
少しだけ、ほんの少しだけコンプレックスなだけ。

「今日、補習だっけ?」

「は? コニー、赤点だったの? ダッサ…」

プッと小さく吹き出して、ジャンは何時もの教室に向かう。
別れ際にコニーが何か言ってたけど、知らん振りで教室に入った。
気も使わずに接することが出来るのは今のところはコニーだけ。

ジャンはクラスメイトに挨拶もせずに自分の席に座る。
それから教科書と筆記用具とかを出すと日当たりの良い席で本を読んだ。
授業までは誰とも話さずに読書ばかりしている。
ツマラない授業が始まれば、機械的に板書だけを繰り返していた。

「コニーにメールしとこ」

ホントに便利な世界だと痛感する。
わざわざ言いに行かなくても勝手に電波が届けてくれる世界。
ケータイで『補習、乙w』とだけ送るとスカートのポケットに仕舞う。

今日は一人で帰るから少しだけ寄り道しようと繁華街の方へと向かった。
綺麗に舗装されて、綺麗なイルミネーションに彩られている街。
何かないかなと思いながら、ウィンドウショッピングをしていた。

『え?』

少しだけ窓に映り込んだ姿に慌てて振り返る。
人混みにも拘わらず、ジャンの目は一瞬で彼の姿を見つけることが出来た。
やっと奇跡が起きたんだと、ジャンは視界がボヤけるのが分かる。

「リヴァイ、へいちょ…」

逢いたくて、ずっと恋焦がれた人を見つけることが出来た。
リヴァイの姿を追い駆けようと人混みを掻き分ける。
この機会を逃せば、いつ逢えるか分からない。

やっと追いついたとジャンはリヴァイの背中の服をギュッと握り締めた。
いきなり服を掴まれたリヴァイは訝しげな表情で振り返る。
それからリヴァイはジャンを見つめた。

「兵、長…」

「あ? 何、言ってんだ? 誰だよ、テメェ…」

天国から地獄に突き落とされ、ジャンは掴んでいたリヴァイの服を離す。
思っているよりも低い身長や低音の声音、何もかもが自分の知っているリヴァイ。
それなのに、自分のことを全く覚えてくれていない。

記憶は引き継ぐ場合も引き継がない場合もある。
だからって、どうして今回は記憶の継承に失敗しているんだろう。
折角、多くの人間の中から見つけ出した奇跡のはずなのに。

「どうして、覚えてないの…?」

「あ? どっかで逢ったことあんのか?」

それから気が付いてしまった。
リヴァイの左手の薬指にリングが嵌められていることに…。
少し遠くで「リヴァイ!」と小柄で可愛らしい女がリヴァイの名を呼ぶ。

自分とは正反対の雰囲気を持つ女。
リヴァイは「今、行く」とだけ言うとジャンに背中を向けた。
その後姿を見つめることしか出来ず、リヴァイは女と手を繋いでいた。

「兵長の隣に何で他の女が居るの? やっぱ、神様なんか居ないんだ…」

遠ざかっていくリヴァイの背中から逃げるようにジャンは反対方向に走る。
ずっと前に交わされた約束を馬鹿みたいに覚えていた自分が恥ずかしい。
今回は運が悪かっただけと思いたい。

それでも次は何時になったら、巡り合うことが出来るというのだろう。
もし、今回の反対で自分がリヴァイを覚えてなかったら?
また奇跡を信じながら、転生を繰り返さなければいけないのか。

「無理だよ、もう…」

走り疲れたジャンは近くの路地裏にしゃがみこんだ。
我慢していた涙がポロポロと零れ、ジャンの頬を濡らしていく。
こんなことなら、見つけなければ良かった。

「こんなところで一人でいると危ないよ~?」

数人の男に声を掛けられて、ジャンは「ほっといて」と告げる。
こんな人通りの少ない場所で声を掛けてくる男の考えることなど容易だ。
どうなってもイイとジャンは思っていた。

自分を覚えてもいないリヴァイのいる世界なんて生きている意味もない。
心の中で『初体験がレイプか』と思っていると男に腕を掴まれた。

「好きにすれば?」

捨て鉢なジャンの台詞に男どもは口笛を鳴らす。
次は女ではなくて男に戻りたいなと、そんなことを考えていた。
男たちの手はジャンの身体を弄り始めている。

『俺、次は女になりたいなァ…』

『あ? いきなり、何言ってんだ?』

『女だったら、兵長との子どもを授かることも出来るでしょ?
 俺と兵長の子どもなんて、もう宝物じゃないですか!』

『は、悪くねェな…』

その願いは果たせそうにない。
もう女でいることも奇跡を請うことにも疲れてしまった。
目を閉じながら、行為が終わるのをジャンは静かに待っている。

しかし、唐突に辺りが騒がしくなったので伏せていた目をソッと開けた。
男たちは慌てた様子で服の乱れを整え、ジャンの上からいなくなる。
何事だろうと思い身体を起こして、ジャンは目を見開いた。

「何してんだ、テメェ…」

其処には肩で息をして、ジャンのことを見下ろしているリヴァイがいた。
キョトンとしているとリヴァイはジャンから目を逸らす。
自分の姿を見るとショーツはズリ下げられ、胸も露になっていた。

「もう大丈夫です…」

立ち上がるとショーツを上げ、ブラも直すとジャンは埃をパタパタと払う。
落ちていた学生カバンを拾いに行き、リヴァイの前まで行くと頭を少しだけ下げた。
殆ど感情のない声で「有り難う御座いました」とだけ言うと隣をすり抜ける。

そのとき、いきなり腕を掴まれてしまったジャンはビックリした。
何事かと思ったジャンはリヴァイの方へと視線を向ける。

「俺との子ども、授かるんじゃねェのかよ?」

「な、に…?」

思ってもいないリヴァイの言葉にジャンは言葉を失ってしまった。
先程、会ったときは自分のことを知りもしないという態度だったのに…。
期待をして裏切られるのが嫌でジャンは「何、言ってんの?」と冷静に告げた。

「さっきのことなら、人違いだし…」

出来るだけ冷ややかに「腕、痛いから離して」とジャンはリヴァイに告げる。
離されることはなく更に強い力で掴まれて、ジャンは少し顔を顰めた。
掴まれている腕も痛いけれど、何よりも心が痛い。

ジャンはリヴァイを睨み付けると「痛いから離してよッ!」と怒鳴る。
腕が離されて胸を撫で下ろし、ジャンは路地へと足を向けた。
もう二度と逢うことはないだろう。

「待て、ジャン・キルシュタイン」

名前を呼ばれたジャンはリヴァイのほうを振り返る。
それから左手の薬指に嵌めていた指輪を外して、路地の奥に放り投げた。
ジャンが動揺しているとリヴァイはジャンの身体を壁に打ち付ける。

「いったァ…」

「他の男に触られてんじゃねェよ、クソガキ…」

壁に身体を押し付けられるとリヴァイの唇がジャンの唇に重なった。
少ししてから角度を変えられて、深くキスをされてしまう。
抵抗も出来ずにジャンは学生カバンを落とした。

夢であるなら、覚めないでいてほしい。
そんなことを考えながら、ジャンはリヴァイの首に腕を回す。

「グロスか? ベタベタする…」

唇が離れてから真っ先に発せられたリヴァイの言葉は彼らしい。
小さく笑ってからジャンはポケットに入れてあるハンドタオルを渡した。
それを受け取ったリヴァイは自分の唇をハンドタオルで拭っている。

「記憶、戻ったんですか…?」

「あ? 振り返って、走っていくテメェの後姿を見てな…」

「そっか。 あ、彼女さんは?」

「テメェを追い駆けるのを優先したからな、置いてきた。
 後で電話する、別れ話のこともあるしな…」

「声、掛けないほうが良かったかもしれないですね」

自分が声を掛けたりなんかしなければ、別れることなんかなかっただろう。
そう思うとジャンは申し訳ない気分になり、俯いてしまった。
申し訳ないとは思っているが、リヴァイが覚えてくれていたのは素直に嬉しい。

ギュッとリヴァイに抱き締められて、ジャンは心が温かくなる。
その背中に腕を回して、ジャンは「兵長」と囁くように言葉を紡いだ。

「もう兵長じゃねェ…」

「だって、これが一番慣れてるんですもん…」

「女になっても俺のほうが身長低いとかサイアクだ…」

「見慣れた感覚ですけどね…」

クスクスと笑うとリヴァイは黙らせるかのように唇を塞ぐ。
そのキスにジャンは『前と同じキスだ』と安心した。
巡り会えたのも奇跡、それから記憶が戻ったことも奇跡。


2つの奇跡で漸く出逢えた二人の恋物語。


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